単発派遣の看護師の仕事には、老人ホームでの勤務があります。
今回は、私が実際に老人ホームで単発派遣看護師として働いた経験をもとに、仕事の内容やメリット・デメリットについて解説します!
この記事はこんな方にオススメ!
- 休日にバイトがしたい!
- 転職までのつなぎとして単発の仕事がしたい。
- 老人ホームの仕事内容を知りたい。
老人ホームの単発派遣看護師の仕事内容
- バイタルサイン測定
- 経管栄養
- 褥瘡処置
- ストーマケア
- 湿布の貼付
- 軟膏処置
- 創傷処置(軟膏+ガーゼ保護)
- 点眼点鼻
- 血糖測定
- インスリン投与
- 爪切り
多くの施設では、こうした処置が一覧表になっており、その表を確認しながら看護師が処置を行うことが多いです。
バイタルサイン測定
入居者さんの健康管理のために、バイタルサイン測定を行います。多い場合は、1日2回のバイタルサイン測定を行い、記録します。異常値があった場合は、付随する症状の確認を行い、老人ホームの看護師に報告します。
経管栄養
老人ホームには、胃ろうを造設している入居者さんが一定数います。決まった時間に胃ろうから栄養剤を投与します。
褥瘡処置
まれに褥瘡のある利用者さんがいるため、軟膏やガーゼなどを用いて褥瘡処置を行います。
ストーマケア
ストーマを造設している利用者さんがいる場合、ストーマケアを行う場合があります。
利用者さんによっては、パウチを貼る前にパウダー状の資材を使って皮膚障害を予防したり、粘土状の資材を使って皮膚のくぼんだ部分を埋めるなどの処置が必要になる場合があります。
老人ホームの看護師として応募する場合、ストーマケアの技術が必須となっていたら、これらのことにも対応できるようにしておきましょう。
湿布の貼付
湿布薬の希望があれば、貼付の介助を行います。
軟膏処置
皮膚障害のある入居者さんは、軟膏を持参していることがあるので、必要に応じて軟膏処置を行います。
点眼点鼻
点眼薬や点鼻薬を決まった時間に介助します。
血糖測定
糖尿病のある利用者さんなどに対して、食事の前などの決められた時間に血糖測定をすることがあります。
インスリン投与
糖尿病のある利用者さんに対して、決められた単位数を皮下注射します。
爪切り
ケアや体操などの空き時間に爪切りを依頼されることがあります。
老人ホームに入居している方は、指先の巧緻性が低下していることは少なくなく、手足の爪が伸び切っている方が多いのも事実です。
老人ホームで単発派遣看護師として働くメリット
比較的ゆっくり働ける
普段、急性期病院や忙しいクリニックで働いている人は、常に時間に追われてやらなければいけないことが次から次へと出てくる環境で仕事をしていると思います。
しかし、老人ホームでは、介護を必要とするけれど、医療依存度は比較的低い人が入居しています。そのため、医療処置も病院に比べると少なく、比較的ゆっくりと働くことができます。
合わない入居者さんがいてもその日だけこなせばいい
老人ホームや訪問看護、透析クリニックで働くと、性格や相性が合わない患者さんや利用者さんは少なからずでてきます。
正社員として働くと、その患者さんや利用者さんが施設を出たり、自分が退職をしない限りずっとこの関係が続きます。
しかし、派遣看護師として老人ホームで働けば、期間限定のお付き合いであるため、派遣で指定された日だけしっかりと仕事をこなせば済みます。
医療処置が比較的少ない
老人ホームは、特にストレスを伴う、注射や採血は基本的にありません。
経管栄養や軟膏処置はありますが、病院と比べると医療処置は少ない傾向にあります。
ブランクがあっても働きやすい
採血や抹消ルートの確保は、ブランクがあると自分の手技に不安があると思いますが、老人ホームでの勤務では、基本的に採血などはありません。
また、比較的急変することも多くないため、ブランクがあっても働きやすい環境だと言えます。
老人ホームで単発派遣看護師として働くデメリット
派遣先によっては介護の仕事をする場合がある
派遣の仕事を応募する時に、『看護師枠』の募集なのか、『介護士枠』の募集なのか確認する必要があります。
介護枠の募集では、入浴介助や排泄介助などがあり、体力勝負の仕事が多くなる可能性があります。
雰囲気がよくない場合がある
老人ホームは、基本的には入居者さんもスタッフもほぼ同じようなメンバーで長い時間を過ごします。
施設によっては、スタッフが威張っていたり、逆に、入居者がきつい態度をとる風潮があるところも。
繊細な方やHSPの方は、そうした施設に当たってしまうと1日つらい思いをする可能性があります。
しかし、募集の段階では、施設の雰囲気まで把握することは困難であることが現状です。
入居者のこだわりや暗黙のルールが分からない
入居者さんは、ふだん慣れ親しんだスタッフに介護をしてもらっていますが、派遣で初めて訪れる施設では、それらを把握することが難しいため、入居者さんから不満を言われる可能性もあります。
老人ホームの単発派遣看護師で辛かったこと
爪切りは神経を使い腰も痛い
老人ホームに派遣に行くと、9割の確率で空き時間に爪切りを頼まれます。
利用者さんの爪はそれぞれ形が違ったり、びっくりするほど伸び切っていたり、肥厚していたり、水虫でボロボロだったりと、個別性の大きいケアのひとつになります。
また、普段、看護師として働いていても、毎日のように爪切りをする職場は限られています。ただでさえ慣れない爪切りに加えて、利用者さんの皮膚を傷つけないようにかなり神経を使います。
また、老人ホームによっては、安全のためにベッドの高さ調整ができないようになっていたり、車椅子に座ったまま爪を切ることが多々あるので、中腰や無理のある姿勢で爪切りをすることで、かなり腰の負担が大きくなります。
私は腰痛持ちなので、爪切りのあとは腰がかなりきつかったです。
顔も名前もわからないのに名札も座席表もない
単発の仕事で老人ホームに行くと、もちろん顔も名前もわからない入居者さんがたくさんいます。
しかし、老人ホームでは、利用者さんの入れ替わりがほぼないので、スタッフは顔と名前と席を暗記していることが多く、名札や座席表を作っていないところも少なくありません。
また、座席に名前が貼ってあっても違う人が座っているなんてことも珍しくありません。
そんな状況の中で、バイタルサイン測定をしたり、処置をしなくてはならないという職場を経験したときには、周りのスタッフに利用者さんの名前を聞きながら仕事をしたので大変でした。
老人ホームの単発派遣看護師でよかったこと
経管栄養の手技が早くなる
医療依存度の高い老人ホームだと、経管栄養の患者さんがたくさんいます。
病院だと、液体状の経管栄養が主流だと思いますが、私の経験上、老人ホームでは、半固形の経管栄養の確率が割と高めです。
半固形の経管栄養は、専用のポンプのような器具を使って、栄養剤の投与を行います。それをひたすらハイペースで行うため、経管栄養の手際がかなりよくなります。
自分のペースで仕事を進められるところもある
単発派遣看護師として老人ホームに派遣された場合、施設によっては、1日にする仕事の量を勤務開始時に提示される場合があります。
例えば、処置がある患者さんの一覧表を渡されて、この処置を午前・午後に分けて自分のペースで行うよう指示されるなどです。
施設によっては、その指示された仕事がハードなこともありますが、中には10〜20人程度の処置を午前と午後に分けて行う施設もあり、時間にゆとりのある施設もあります。
老人ホームでの単発派遣看護師として働くための注意点
老人ホームの単発派遣看護師の募集の中には、介護スタッフ枠で募集されていることが多くあります。
この求人の場合、入浴介助やおむつ交換など、体力勝負になる介護の仕事がメインになるため、腰痛持ちの方や、介護に抵抗がある方は注意が必要です。
必ず応募する前に、仕事内容を確認することを心がけましょう。
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