看護師として働いているみなさんの職場にはどんな風潮がありますか?
看護師の中にはお局様がいたり、古くからの仕事の方法を変えようとしなかったり、独特な風潮があるがゆえに苦労する場面も多いですよね。
私は看護師になって10年以上経ちましたが、今でもしょっちゅう『看護師やめたい。』と思う瞬間があります。
看護師の仕事は、ミスが許されず、心身ともに負担の大きい仕事です。チームで協力して気持ちよく仕事ができればいいのですが、現実はモヤモヤするような悪しき風潮が多くあります。
今回は、私が看護師として働いている中で感じた『看護師の悪しき風潮5選』とその対処法について解説します。
転職を考えてしまうほどの看護師の悪しき風潮5選
新人時代から現在までの約10年以上、変わらないと感じたよくない風潮を5つに絞って紹介します!
- 朝のサービス出勤が当たり前であること
- サービス残業があたりまえ、もしくは残業申請をしにくい雰囲気がある
- 人手不足と言いながら悪口をいったりいじめをして離職者が続出する環境がつくられている
- 医師から怒鳴られたり不当な扱いを受けたとき
- 気が強い人ばかりが生き残っている
これらはすべての職場に言えることではありませんが、20代で5回転職し、30代の今は派遣社員として働いている私の感覚としては、どの職場も2.3個以上は当てはまっていると感じます。
①朝のサービス出勤が当たり前であること
始業時間までに情報収集が終わってることが当たり前になっていて辛いなぁ。
30分〜1時間の前残業が当たり前の風潮は本当に良くないと思う。
朝の情報収集が当たり前のように無給であること。これは、特に病棟勤務をしている看護師であれば1度は感じたことがあるのではないでしょうか?
受け持ち患者の情報収集を朝礼前や就業時間前に済ませておくことが当たり前の風潮があります。
ひどい職場だと、点滴の混注まで済ませておいたり、朝の内服薬まですべてチェックを済ませておかなければならない病棟もあります。
遅く出勤するとパソコン空いてなくて情報収集できないこともあるし…。
また、入院や手術などに必要な書類をあらかじめ用意しておいて当たり前という職場もあります。
病棟スタッフの全員がそうであるわけではなくとも、職場に2.3人そういう人がいると、何となく周りも合わせてはやくくるのが当たり前になる空気感がありますよね。
自分の仕事を安全にするために、早く来て仕事をすることは個人の自由ですが、厄介なのが、早く来ることを強制してくる人。そういう人に限って早く来るだけ来て、ダラダラ話していたり、仕事が遅かったりするので、困ったものです。
【体験談】
透析クリニックや、皮膚科外来で勤めていたときも、始業時間に来ても仕事の開始には間に合うのに、わざわざ早く来て絶対に終わる早番の手伝いをしたり、勤務の合間にできるような仕事をする人がいました。
私はギリギリ出勤の人間なので、そういう人に、「あと5分早く来ればいいのに。」などと嫌味を言われることもありましたが、早く来ている人が特別評価をされたり、信頼されているわけではなかったので、気にせずいつも通り出勤していました。
私は情報収集も立派な仕事だと思いますが、今まで5回以上転職をしていますが、始業時間前の仕事で残業代をもらったことはありません。残念ながら、申請している人も見たことがないので、特に病棟で働く以上、朝のサービス出勤は宿命なのかもしれません。
当たり前のような朝のサービス出勤がなくなることを祈るばかりです。
朝のサービス出勤に対する対処法
情報収入や仕事が効率よくできるように工夫する
朝やるべきことを素早く正確に行えるようにすれば、5分や10分は出勤時間を遅らせることができます。また、情報収集も確認する項目を明確にしたり、メモの取り方を工夫したりすることで、情報収集に割く時間を減らすことができます。
朝のスタートが決まっているクリニックに転職する
大きな処置のない外来は比較的始業開始前にする仕事が少ないです。外来開始時間が始業時間である場合を除き、朝の準備の時間が確保されているクリニックであれば、朝のサービス出勤が少なくて済む可能性があります。
ですが、気をつけたいことは、小さなクリニックであればあるほど、周りの風潮に合わせないといじめやパワハラを受けやすいので、面接や職場見学の時に出勤時間とスタッフの平均の出勤時間を確認しておくことがポイントです。
前日に情報収集をする(許されるのであれば)
忙しすぎる職場がほとんどだと思いますが、仕事中に空き時間があれば、翌日の受け持ち患者の情報収集をすることも1つの手です。
ですが、実際は空いている時間は普段できない洗髪や爪切りなどの清潔ケアをしたり、看護サマリーを書いたりとやらなければならない仕事がたくさんあるのも事実です。
周りのスタッフから反感を買わない程度に上手く自分の時間を作るようにしましょう。
②サービス残業があたりまえ、もしくは残業申請をしにくい雰囲気がある
時間外を申請する時の独特の雰囲気が苦手。
上司の機嫌が悪かったり、周りが申請しないと何となく残業申請しにくい雰囲気あるよね!
終業時刻を過ぎても、何となくナースステーションの机に集まってダラダラ話していたり、さっきまで雑談をしていた人が、なぜか終業時間を過ぎてから記録を始めたり…。
定時にスパッと帰りにくい雰囲気がある職場に勤めている人は多いのではないでしょうか?
また、明らかに明日以降の空き時間にやってもいい仕事を時間外に押し付けてきたかと思えば、時間外の申請はさせてもらえないなど、サービス残業を強いられた経験のある方もいるのではないでしょうか?
ダラダラ残っている人にかぎって、お局であったり、職場のボス的な存在で、定時で帰る人に対して悪口を言うことが多いのも現状です。
私の意見は、早く帰って自分の時間を大事にしたい!仕事より家庭のほうが大事!です。
周りのスタッフのフォローをしつつ、自分の仕事も終わらせて、定時に帰ることの何が悪いのでしょうか?
【体験談】
老人ホームと提携している内科病棟に勤めていたときのこと。その病棟は、長く勤めているスタッフか、入職してから1年未満のスタッフかに分かれており、中堅層がいない職場でした。
長く勤めている人は、朝も30分以上雑談をしてから点滴やバイタルにまわりはじめるため、周りがその人の分まで仕事をすることが多くありました。また、緊急入院もほとんどとらず、清潔ケアもほとんどしない。明らかに周りのスタッフのほうが仕事量が多い状況でした。
そのスタッフの分の仕事も担っているのに、定時に帰ると、「そんなに帰りたいの?」「帰ることに必死すぎ。」などと悪口を言っていました。
しかし、新しく入職したスタッフが多い時期だったので、『みんなで帰れば怖くない』精神で、気にせず定時に帰るようにしました。そのため、長く勤めている層と新しい層で溝ができていたのは確かですが、定時に帰れる日は帰るようになりました。
サービス残業に対する対処法
堂々と時間外申請をする
仕事中に雑談ばかりしていたり、そもそも仕事の効率が悪くて残業をしていると思われていては残業申請がしにくいですが、時間内にきちんと仕事をしているのであれば、周りがどうであれ、残業代をもらう権利があります。
誰も残業申請していないなどと嫌味を言われても、申請をしてみるのも一つの手段です。
周りを巻き込んで時間外申請しやすい空気を作る
サービス残業が当たり前の風潮に対して、不満を持っているスタッフがいれば、「みんなでやれば怖くない精神」で、職場全体で時間外申請をする空気を作ってみることもひとつです。
やることをやって気にせず帰る
時間内に自分の仕事が終わっていれば、気にせず帰りましょう。
仲のいい人がいたり、家より職場のほうが落ち着くという人は別ですが、私は職場に仲のいい人もいないので、割り切ってやることやって帰るようになりました。
③人手不足と言いながら悪口をいったりいじめをして離職者が続出する環境がある
慢性的な人手不足なのに、どうしてスタッフを大事にしないんだろう…。
人手不足である職場は心の余裕もなくなり、雰囲気が悪くなるという悪循環がよく見受けられるよね。
医療の現場は慢性的な人手不足だと言われています。
しかし、そんな中でも、スタッフが定着し、求人が時どきしか出ない職場があるのも事実です。このような職場は、人間関係が良好であったり、休養や福利厚生などの条件がいい場合がほとんどです。
ですが、人手不足の職場であればあるほど、忙しさから心の余裕がなくなるためか、いじめや悪口が常習化している職場が多いと感じます。
スタッフを大切にすれば、引っ越しや家庭の事情など、やむを得ない場合を除いて、転職するスタッフは少なくなり、結果スタッフも定着し、教育に割く時間も減り、仕事はスムーズに進むことは容易に想像ができます。
また、患者さんが通い続ける透析や外来などの場合、顔なじみのスタッフがいることで安心する患者さんがいるのも事実です。
スタッフが定着するメリットの方が多いのに、いじめや悪口がなくならないのが不思議でなりません。
【体験談】
長期派遣で働いている病棟勤務のこと。
入職して1週間程度で受け持ちを独り立ちさせられました。そのため、知らない暗黙のルールがたくさんありました。
この病棟では、自分の受け持ち患者さんの検査や病状説明などの予定を病棟クラークに毎朝報告するというルールがあったようです。そんなことも知らずに仕事をしていたら、ある日突然、クラークが病棟スタッフを捕まえては私の悪口を言うようになりました。何について悪口を言われているのか分からず、戸惑っていましたが、いつもフォローしてくれるスタッフが、この暗黙のルールについて教えてくれました。
この病棟は常に人手不足で、昨年末に一気に10人も退職したそうです。退職したスタッフは、穏やかな性格の人だったそうです。こうした悪口が常習化している職場では、スタッフを大切にせず、結果、人間関係が理由で退職するスタッフが続出し、人手不足に陥るという負のスパイラルに陥っていることに気が付かないのでしょうか?
悪口やいじめで人手不足が常習化しているときの対処法
上司や信用できるスタッフに相談する
いじめやパワハラを受けている場合は、上司や信用できるスタッフに相談しましょう。自分の身体や心が1番大切です。決して無理をせず、体調不良が出るようであれば、休んだり、病院を受診することも検討しましょう。
気にしない
いじめや悪口に一番効果的なのは『気にしないこと』です。ですが、実際は気にしないことが一番難しいんですよね。
改善がなければ休職や転職を検討する
上司に相談しても状況がかわらない場合や、いじめや悪口による体調不良が続く場合は転職や休職も視野に入れましょう。
④医師から怒鳴られたり不当な扱いを受けたとき
どの職場にも必ず1人は怒鳴る先生いるよね…。
看護師は医師との関わりを避けて通ることはできません。中には感情のコントロールができる医師もいますが、処置や治療がスムーズに進まなかったときに、1番八つ当たりをされるのは私の経験上看護師です。
また、年功序列の風潮が色濃く残っている病院は特に、研修医や新入社員として入職した医師が、長年勤めている医師から嫌味を言われたり、理不尽な仕事を押し付けられたり、気の強い看護師に当たられたりする場面を多く見てきました。そうした日々のストレスを、新人や新入社員の看護師にぶつけてくることもあります。
私たちをストレスのはけ口にしないでほしい。
医師から怒鳴られたり不当な扱いを受けたときの対処法
上司に相談する
人間誰しも相性がよくない人がいます。相手が医師の場合、回診や処置介助を可能な限り外してもらえるか上司に相談してみましょう。
しかし、私の経験上、医療の現場は常に人手不足であるため、「人がいないから。」「みんな我慢してやっている」などと言われて調整してもらえないことがほとんどでした。まずは結果はどうであれ、まずは相談してみることも一つの方法です。
最低限の関わりにする
仕事なので、苦手な人間とも関りを全く持たないことは不可能です。ですが、お互いのストレスをなくすためにも、最低限の関わりにとどめましょう。
仕事上の判断に迷ったときの相談や、わからないことを聞くことはなるべく他の関係の良いスタッフに聞くようにしましょう。
⑤気が強い人ばかりが生き残っている
私は20代で5回の転職をし、30代の今は派遣社員として働いているため、転職回数はかなり多い方だと思います。
そこで感じることは、『気が強い人が生き残る』ということです。
私は人見知りでコミュ障なので、さりげなくフォローしてくれる人や穏やかな人や休憩中は自分の世界に入り込んでスマホをいじっているような人が一緒にいて仕事がしやすいと感じますが、そういった人は短期間で辞めていってしまいます。
一方、気が強く、常にターゲットを作って誰かの悪口を言うことを生きがいにしていたり、そういったボスと一緒になって悪口やいじめを楽しんでいる人のほうが同じ職場に長く勤めている傾向があると感じます。
長くいることで、自分のポジションが上になり、居心地がよくなるのだと思いますが、そうした人が新人や新入社員のアラ探しをしては騒ぎ立てて楽しむといった光景が頻繁に見受けられます。
厄介なのが、ターゲットが退職しても、また次のターゲットを作り、新たな退職者が出るという負のスパイラルにはまっているにも関わらず、全く動じないというとこです。何なら「辞めたあの人が悪い」くらいなことを平気で周りにいっています。
また、職場のボスに逆らうと自分がターゲットになることを恐れて、もともとはいじめに加担するようなタイプでなかった人までいつの間にか気の強い看護師になっていることも珍しくありません。ある意味、この世界で生きていくには必要なスキルなのかもしれませんが、弱いものいじめはよくありませんよね。
「この職場は気が強い人しか生き残らないから!」と開き直っている職場もありました。
気が強い人が生き残る職場の対処法
人の悪口やいじめに加わらない
当然のことではありますが、悪口やいじめに加わることはやめましょう。愚痴や悪口を聞いただけでも、「◯◯が悪口いってたよ。」などという事実とは異なることが噂で広まったりもします。結果、自分自身が次のいじめのターゲットになっていまうことも。
必要以上に関わらない
仕事に必要な報連相はしますが、私はもはや人間不信なので休憩中も話かけられた時以外は、スマホをいじっています。
看護師になって、『口は災いのもと』という言葉の重みを痛感しています。
適度な距離感を保つ
常に悪口を言っている人は聞いてくれる人を探しています。そんな人たちのいい聞き役にならないよう、適度な距離感で接することが大切です。
今の職場がつらいと感じたら
看護師は、人の命を預かる仕事でミスは許されず、常に張り詰めた気持ちで仕事をしている人がほとんどだと思います。しかし、無理しすぎてしまうと、体調を崩す原因にもなります。ここでは看護師の悪しき風潮をお伝えしましたが、全ての職場がこうであるわけではありません。今の職場が辛ければ転職という選択肢もあります。私のように転職回数が多くて悩んでいる方や、メンタルが弱めで一つの職場で長く続けられるか不安な方は『派遣』という働き方もあります。自分の心と身体が1番大切です。この記事が、転職を考えている方の背中をそっと押せたら嬉しいです。