看護師の働き方には、正社員以外にパートや派遣といった選択肢もあります。
私は、今年の4月から3か月更新制の長期派遣看護師として働いています。
長期派遣看護師として働くために、応募先で『顔合わせ』とよばれる面接のようなものがあります。
今回は、私の経験をもとに、派遣会社に登録して、2.3ヶ月ごとに更新制で働く『長期派遣看護師』の顔合わせについて解説します。
長期派遣看護師の顔合わせとは面接のようなもの
長期派遣看護師として働く場合、正社員やパートで入社する時のように、事前に派遣先の職場のスタッフと顔合わせがある場合がほとんどです。
しかし、派遣の場合は法律で面接が禁止されています。
そのため、『面接』ではなく『顔合わせ』という表現を使っています。
顔合わせのイメージは、面接よりも緩く、面接ほど個人的な質問はされず、条件やスキルの確認に重きを置いたものです。
長期派遣の顔合わせの前に、派遣会社に登録をし、希望の就職先を派遣会社に伝え、顔合わせの日程を調整し、顔合わせの当日を迎えるという流れになります。
顔合わせでは、一般的な面接対策をしておけば、充分すぎるくらいなのです。
長期派遣の顔合わせでは履歴書は不要
派遣の顔合わせでは、個人が特定されないような簡単な経歴の書いた書類が派遣会社から、派遣先(応募先の職場)に渡されます。
この書面には氏名も記載されていません。
私が実際に長期派遣の顔合わせをしたときに用意されていた書類の内容を紹介します。
実際の書面の内容
- 氏名:非公開
- 性別:非公開
- 生年月日:非公開
- 看護師免許証:正か准公開(看護師免許に氏名や生年月日が記載されているため、こちらは情報提供されます。)
- 最寄り駅と徒歩時間:公開
- 資格取得日:公開
- 派遣会社に申告した就業先と部署名・勤務・雇用形態・職務内容:公開
- 例1:◯年◯月〜◯月◯月(◯年◯ヶ月) 特定機能病院 病棟 二交替 正社員 消化器外科病棟
- 例2:◯年◯月〜◯月◯月(◯年◯ヶ月) 一般外来 日数 正社員 皮膚科
当日の流れ
応募先の病院や施設と自分の予定を合わせて顔合わせの日程が決まります。この日程調整は、顔合わせの前に行いますが、派遣会社が応募先との連絡を仲介してくれるため、顔合わせまで、応募先と直接やり取りをすることはありません。
顔合わせの当日の具体的な流れについて解説します。
紹介元のスタッフと応募先の病院や施設に待ち合わせ
病院までの道や建物がわかりにくい場合は、最寄り駅に待ち合わせの可能性もありますが、基本的には、応募先の病院やクリニック、老人ホームなどの施設の入り口付近に待ち合わせをします。
そこで、派遣会社のスタッフと合流し、挨拶をします。私は『スーパーナース』という派遣会社と利用しましたが、スタッフは1名付き添いをしてくれました。
派遣会社のスタッフより顔合わせの流れの説明を受ける
派遣会社のスタッフから、これから行う顔合わせの流れについて説明があります。
この時に、顔合わせで関わる人(主に看護部長や病棟の師長など)について説明があったり、職場見学の有無についても説明があります。
また、顔合わせでよく聞かれる質問や、回答のポイントについても説明があります。
派遣会社のスタッフより、顔合わせの質問は、面接よりもゆるいことと、技術面でできることとできないことは、ウソをつかずに答えることがポイントだとアドバイスをもらいました!
保険の勧誘、就業決定後のタイムシートの記入について説明
私の場合は、待ち合わせまでの時間に少し余裕があったため、派遣会社のスタッフから、看護師の保険についての案内がありました。私はもともと看護師の保険に加入していたため、しつこい勧誘はなく、資料を渡されただけでした。
まだ、顔合わせまでに時間があったため、就業が決定したあとのタイムシート(タイムカードのようなもの)の記入方法や提出方法について説明がありました。
私が応募した病院は紙ベースのタイムシートだったため、資料を受け取りました。
顔合わせ5分前に応募先の担当者へ挨拶
私が実際に顔合わせをしたときは、顔合わせの予定時間の5分前まで病院の待合室の椅子で待機しました。
5分前になると、派遣会社のスタッフと一緒に、顔合わせの担当者がいる部屋へ行き、挨拶をしました。
看護部長と顔合わせ
ここからは、看護部長などの顔合わせを実際に行うスタッフとのやりとりになります。派遣会社のスタッフも同席します。
顔合わせの部屋に案内され、お茶を出されました。しばらく待機すると、看護部長が入室。席を立って挨拶をします。
派遣会社のスタッフから、簡単に私の紹介をされます。そのあとは、看護部長から聞かれた質問に答えます。
看護部長から聞かれたこと
【経歴について】
経歴が記入された用紙は相手に渡っていますが、退職理由や入職理由などは詳しくは聞かれませんでした。ただ、現在はどこかに所属しているのか、有休消化中なのかといった現状については聞かれました。
【配属先について】
配属先の科の経験の有無を聞かれました。配属先は、現在人手不足で、別の病棟からサポートが来ているほどバタバタしているなどといった病棟の現状について簡単に説明がありました。
【勤務条件について】
私が応募した求人は日勤のみの条件でしたが、夜勤はできないか聞かれました。夜勤なしの仕事を希望していたため、はっきりと日勤のみでの就業を希望することをお伝えしました。
【質問を終えての看護部長の返答】
今日は採用の管理者のスタッフが看護部長しかいないとのことで、採用するにしても書類が分からない。4月1日は新人の入職もあるから指導の人員を確保できるかどうかなどと、歯切れの悪い返答がありました。
この返答で落ちたな…と思いました。
派遣会社のスタッフ曰く、白衣の採寸は本来は当日行うようですが、採寸も採用がいつになるか分からないから、また連絡しますと言われました。
採用の可否についての返答は後日といわれ返答期限を10日ほど設けたいと言われました。
配属先の師長と顔合わせと病棟見学
看護部長との顔合わせを終え、配属先の病棟見学に行きました。ここでは、病棟の師長と顔合わをし、病棟の簡単な説明と病棟内の見学をしました。
病棟の看護師長からは今は何科に勤めているのか聞かれ、それ以上の経験については質問はありませんでした。
看護師長から、病床数や病棟に多い疾患、患者さんのADLの状況などの説明がありました。
私は脳神経外科での勤務経験がないことを師長にお伝えし、即戦力になれない部分もあることをお話しました。
看護部長との顔合わせの返答で、ここでは勤務できないだろうと思い、脳神経外科の経験がないと勤務が難しいのであれば、辞退することもお伝えしました。
【看護師長からの返答】
病棟見学や自分が脳神経外科での経験がないことを伝えましたが、看護師長は、知識については働きながら勉強していけばいいし、わからないことはみんなで協力しながらやっているから大丈夫!との返答がありました。
その他に、派遣社員でも部屋持ちもすること、清潔ケアは看護師が一人で入ることが基本、ADLが低い患者さんが多いので、腰を悪くするスタッフが多いことの説明がありました。
私は側弯症と狭窄症で手術をしていることと、今は症状がないことを正直に伝えました。
病棟見学は10分程度で終えました。
顔合わせ終了
病棟見学を終えて、病院を後にしました。
派遣会社のスタッフのみもう一度病院に戻り、挨拶をしていましたが、私は病院の外で待機しているように指示がありました。
派遣会社のスタッフが戻ってくると、応募先に就業したい思いは変わっていないのか聞かれました。先方が脳神経外科の未経験者は求めていない印象であったため、難しい場合は他の応募先を探しますが、できればここに就職したいと伝えました。
派遣会社のスタッフからは、結果が出るまで10日くらいかかることと、その間、この派遣会社での単発の派遣看護師の仕事をしてもらうこともできること、同じような条件の長期派遣看護師の求人をメールで案内しますと説明がありますた。
この対応から絶対に落ちたなと思いましたが、1週間くらいで就業決定の連絡が届きました。
就業決定の通知が届く
採用の可否については、応募先によって顔合わせから返答までの期間は異なりますが、私の場合は1週間で返答がきました。
結果は無事に採用となりました。
看護部長との顔合わせの雰囲気から、不採用になることを想定し、新しい就職先も本気で探していましたが、就業決定の連絡が来て安心しました。
就業決定後の流れ
就業決定の通知とともに、制服の採寸の日程の調整に入りました。希望の日時を派遣会社に連絡すると、派遣会社から応募先の病院に連絡してくれるので、ここでも、直接応募先の病院とのやりとりはしていません。
制服採寸の日程が決まったら、その日に就業先の指定の場所に行って、採寸をして制服のサイズを決めました。また、初出勤日を確認し、初日の待ち合わせ場所と時間の案内を受けて、帰宅しました。
こんな流れを経て、出勤の初日を迎えました。
まとめ
長期派遣の顔合わせは、面接のようなものですが、面接ほどかしこまった感じではなく、踏み込んだ質問も少ないです。ですが、初めて会う人との顔合わせは緊張しました。
私は20代で5回転職の経験があり、正社員での応募は断られる経験もしており、経歴にコンプレックスをもっています。しかし、こんな私でも、無事に就業することができました。
転職回数が多くて、正社員として雇ってもらうことが難しく悩んでいる人がいれば、ぜひ、長期派遣看護師という働き方も視野に入れてみてください。
みなさんが自分にあった職場が見つかることを祈っています!
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