家族の病気がきっかけで透析看護に興味を持ったり、日勤のみの働き方を探していたら、透析の求人が出てきたけれど、実際に透析看護師の仕事のイメージをするのは難しいですよね。
また、透析患者さんはクセの強い人が多いという話や、透析看護師は変わった人が多いという噂をきいたことがある人もいるかもしれません。
透析クリニックで1年間勤務経験のある私が実体験をもとに、透析看護について赤裸々に解説します!
この記事はこんな悩みをもつ方にオススメ!
- 転職を考えている
- 透析クリニックの業務内容を知りたい
- クリニックの人間関係を知りたい
- 透析患者はクセがあるのか知りたい
透析クリニックで働く看護師の1日の流れ
【AM】
8時30分 朝礼
8時45分 プライミング(主に早番)
8時45分 午前の患者の穿刺開始
9時00分 バイタルサイン測定
10時00分 バイタルサイン測定
10時30分 透析後の薬剤を準備
11時00分 医師の回診の補助・バイタルサイン測定
12時00分 午後の患者の返血開始・バイタルサイン測定
12時30分 午後の患者の穿刺開始
~1時間休憩~
【PM】
13時00分 バイタルサイン測定
13時30分 午前の患者の返血・午後の患者の穿刺
14時00分 医師の回診の補助・バイタルサイン測定
14時30分 透析後の薬剤を準備
15時00分 バイタルサイン測定
15時30分 空きベッドから翌日の準備
16時00分 バイタルサイン測定
17時00分 バイタルサイン測定
17時30分 終業
透析クリニックの主な仕事内容
プライミング
透析に必要な回路を組み立て、透析液を満たす作業のことをいいます。
穿刺
透析は、患者から血液を吸い上げる針を1本と濾過した血液を戻す針を1本の計2本を透析のたびに刺します。
透析用の針は太いんです!
(例外として、カテーテルが留置されている場合もありますが、私が働いていた透析クリニックにはいませんでした。)
返血
返血とは、透析で使用する人工腎臓であるダイアライザーと血液回路内の血液を体内に戻すことをいいます。
透析後の薬剤管理と投与
透析をしている患者さんは、腎臓がほぼ機能しなくなっています。そのため、腎臓が本来持っていた造血機能やホルモンの機能を薬剤で補う必要があります。
透析を受けている患者さんで、内服をしていない人はほぼゼロですし、注射も大半の患者さんに投与します。
回診の補助
透析のたびに医師の回診があります。医師は定期的に行われる採血データを確認し、薬剤を変更したり、患者の体調を確認して、目標の体重を変更したりします。
透析中の体調管理
透析中の患者さんのバイタルサイン測定を1時間ごとに行います。
透析では、数時間で余分な水分を取り除いたり、身体に溜まった毒素や腎臓で処理できない電解質などを取り除くため、患者さんの身体の中の変化が大きく、具合が悪くなる確率が高いです。
水分を抜いて、血圧が下がってしまう患者さんに対しては、下肢の挙上、昇圧薬の内服介助、補液、透析液温度の調整などをおこないます。
血圧が上がる患者さんに対しては、ベッドの頭部をギャッジアップしたり、透析液の温度を上げる、除水量を上げるなどの対応をします。
また、除水や毒素の除去といった変化に身体が追いつかず、気持ち悪くなる患者さんも少なくありません。
そうした患者さんにガーグルベースンを渡したり、ポジショニングしたり、必要に応じて除水をとめる、補液をするなどの対応もします。
透析クリニックの患者さんはクセが強い!?私が遭遇したクセ強めの患者さん
私の独断と偏見でお伝えします。答えは…YESです。
私は透析クリニックで約1年働いていましたが、優しい患者さんもたくさんいますが、クセのある患者さんもそれなりにいます。
私が遭遇したクセ強めな患者さん
気に入らないことがあるとすぐに怒鳴る患者さん
穿刺時間が自分が思っているよりも早かったり遅かったりするなど、思い通りにならないと怒鳴る患者さんがいました。
理不尽な怒鳴り声を浴びせられるの辛い。
透析室のスタッフの人間関係を観察して別のスタッフにいちいち報告する患者さん
ある患者さんいわく、透析中は暇なので、スタッフの人間関係の観察をしているようです。
そこで目にした光景や耳にしたスタッフの噂話を別のスタッフに言いつける患者さんがいました。
スタッフ間に余計な亀裂が生じるから本当にやめてほしかった。
血圧が60〜70台まで下がっても除水を強行しようとする患者さん
血圧が低すぎるのに、「自分は大丈夫だ!」といって除水を強行する患者さんがいました。
飲水制限を守れず、体重が過剰に増加した状態で毎回透析にきて、血圧が毎回下がる患者さんが割といるんです…。
決まったスタッフしか穿刺させてくれない患者さん
穿刺が難しい場合は、ベテランのスタッフに穿刺をお願いすることは多いです。これは、仕方がないことだと思います。
しかし、スタッフが患者さんに別のスタッフの悪口を吹き込んで、穿刺に行かせない雰囲気を作ったり、自分の穿刺以外は痛いというふうに思い込ませる言葉かけをしているスタッフがいたので大変でした。
穿刺者を指定してきて、スタッフの悪口を患者とスタッフで言い合っていることもあるので気分が悪いです。
とにかくワガママな患者さん
ベッドの高さから、布団のかけ方から、すべての患者さんの思い通りにならないと文句を言う。
個別性は大切にしますが、限界があります!
止血に時間がかかるとブチギレる患者さん
止血が予定時間より長引くとブチギレる患者さんがいました。
毎回怒鳴られるので、感覚が麻痺して何も感じなくなりました。
とにかく愉快な患者さん
癒しの存在ではありますが、鼻歌を歌っていたり、悪ふざけをして血圧測定のときに手を引っ込めてみり、忙しい時でもなりふり構わず絡んでくる患者さんがいます。
嫌な気持ちになることをされるわけではありませんが、忙しすぎる時には困ることもあります。
どんなに苦手な患者さんがいても長い付き合いをすることになる
透析は、引っ越しや透析施設の変更、腎移植をしない限り一生続くものです。
相性が合わない患者さんがいても、週に2.3回顔を合わせなくてはなりません。
しかもそれが、在職している間ずっと続きます。
私は同じ患者さんにずっと関わるのが苦痛で仕方ありませんでした。
透析クリニックの看護師は変わり者が多いのか!?
こちらも私の独断と偏見でお伝えしますが、答えはYESです。
私が勤務していた透析クリニックでは、メンタルを病む人が続出する特殊な環境でした。
そのため、透析の現場で働くすべての看護師がこうであるわけではありません。
あくまで、私の体験談としてご覧下さい。
私が遭遇した変わっている看護師
コミュニケーションがとれない看護師
私が勤務していた透析クリニックの師長がこのタイプでした。話をするときは目を合わせず、ボソボソと話し、人の意見は聞かず、自分が言いたいことを言って去っていくような人でした。
また、空気が読めず、大事な話をしている途中でも、自分が伝えたいことを唐突に話し出すような人でした。
師長として、組織を引っ張っていく力はなく、理事長や医師との連携もとれず、意見をいっても、上に伝えたり、検討したりすることもしない人でした。はっきり言って師長の器ではありませんでしたが、みんなそれが普通といった感じでした。(新入社員は漏れなく違和感を訴えていましたが…。)
私もなかなかのコミュ障ですが、この師長は、人生で出会った看護師の中でブッチギリのコミュ障でした。
自分ルール以外受け付けない看護師
どっちでもいいような細かいことを、自分のルールに従わせようとする人がいました。物品のちょっとした向きや置き方から始まり、細かい記録の仕方など、どう考えても合理的ではない自分のルールを押し付けてきました。
厄介なのは、その人自身が仕事の抜けが多く、周りでフォローをしていたことです。本人はそんなことは知りもしないので、マイルールに逆らうものは、片っ端からネチネチと攻撃されました。
穿刺マウントがひどい看護師
自称穿刺のプロだと思っているスタッフが、透析室には数名います。
積極的に穿刺に行ってくれるのはいいのですが、おかしいのは、自分のお気に入りの患者さんに別のスタッフが穿刺にいったら、わざわざ患者さんのところへ行き、「今日は、私が針刺し行けなかったけど、痛くなかった〜?」「◯◯さんが刺したの〜?痛かったんじゃない?」などと患者さんと他のスタッフとの信頼関係を壊すような発言をする看護師がいました。
私は、その看護師に目の前で「◯◯さんの穿刺行かなくていいっつーの!可哀想じゃん痛くなっちゃうんだから!」と嫌味を言われたことがあります。
人の失敗を全員に言いふらす看護師
透析はオープンフロアで、いつどこで誰が何をしているのかよく見えます。そんな環境であるため、穿刺で失敗したときや、クセが強い患者さんに怒鳴られたときも他のスタッフも患者さんもみています。
そこで、人のアラ探しをしては、失敗やトラブルを周囲のスタッフに言いふらす人がいました。悪口を言われているのも丸見えになるオープンフロアで働く透析看護師は、メンタルが強くないとやっていられません。
口を開けば悪口ばかりの看護師
どうしたらそんなに悪口が思いつくのか不思議なほど、口を開けば悪口のオンパレードの人がいました。
こんな人が一人でもいると、たとえ自分が言われているわけではなくても、嫌な気持ちになり、職場の雰囲気もダダ下がりです。
ネタかと思うほど変わったスタッフがたくさんいました。私はこの透析クリニックの勤務で、メンタルを病んでしまいました。
まとめ
透析看護は奥が深く、患者さんと長く関わることから、技術や知識だけでなく、コミュニケーション能力も求められるため、難しい仕事です。
私は、透析看護師を約1年経験しましたが、自分には不向きな仕事であったことと、なかなか訳ありな職場に入職したために、変わった看護師も多かったのだと思います。
決してすべての透析に関わる看護師や患者さんがこうであると言ってかあるわけではなく、あくまで私の経験から、透析看護師の傾向や、患者さんの特徴をあげてみました。
色々ネガティブな情報も書きましたが、実際に働いてみないと見えてこないこともあります。
私が透析看護師が合わなかっただけで、透析看護が楽しくて仕方ない人も中にはいるでしょう。
それぞれにあった職場が見つかることを祈っています。
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